バラモンキング参戦記 6(ラン)
バラモンキングが終わって3日間は全く運動はせずに休んでいましたが、4日目にはほぼ筋肉痛がなくなってレース前の感覚に戻ったので、ゆっくり泳いだりジョギングしたりしています。
23日からは徐々にトレーニングの量と強度、特にスピードを上げていって、7月20日のショートTA、ひわさうみがめTAに備えようと思っています。
前回の記事で書き忘れたことがあるので書きます。
バイクコースの枝道という枝道全てが、工事現場にあるような赤いコーンと縞縞のバーでもって封鎖してありました。
センターラインがある広い道も、クルマ1台が通れるぐらいの狭い道も、クルマが通らないような草ボーボーの未舗装の道も全てです。
そしてそこには1~2名のスタッフがいて、枝道からクルマや人が飛び出してきて万が一にも事故が起きないように見張ってくれていました。
彼らの足元には蚊取り線香が置いてあった。
エイドで選手に飲み物や食べ物を渡してくれる仕事はまだ華があるけど、我々の安全のために最後の選手が通過するまで、一日中草むらで蚊に悩まされながら、見守り続けるなんて地味な仕事で支えてくださった方々にもお礼を言いたい!
そんな未舗装の道から誰も出てこないだろう?っていうような枝道も全てにスタッフがいてくれて、手を振って声を掛けて応援してくれていました。
選手は定員一杯でも1090人だけど、スタッフの方は3200名だと開会式で五島市長さんが仰ってました。
選手の3倍のスタッフの方々が支えてくれていたんですね。
ありがとうございました。
前回の続きです。
バイクをバイクキャッチャー(バイク引き取り係の方)に預けて、裸足で道路すぐ横の外濠公園に走り込みました。
福江城の外濠の外側が細長い公園になっていて、そこがバイク預かり場所とT2会場になっていました。
ランバッグとペットボトルの冷えたドリンクを受け取って着替え用テントに掛け込んだ。
レーパンとヘルメットを脱ぎ、CW-Xの膝サポーターを着け、5本指靴下とランシューズを履いた。
フラスコベルトを腰に巻いていつものボロいキャップを被ったら、ナンバーベルトを後ろから前に回してテントから飛び出した。
スタッフの方の誘導に従って、外堀公園から道路に出て42kmのランスタート!
なんとかサブ4で走りたい!と思っていた。
エイドでスピードを落としてもできるだけ足を止めずに走り続けて、1分でも1秒でもサブ4に近づけたい!と思っていた。
そしてもう一つの目標、なんとか12時間を切りたいと思っていた。
ランスタートしたのが3時前ぐらいだったから、サブ4で走れれば12時間も余裕で切れる。
走り始めて見ると身体は鉛のようにずし~んと重いが、なんとか脚は出る。
街の中を抜けて、まだ新しそうな道を上り、集落の中の狭い路地に入っていった。
バイクなら気にならない程度の上り下りでも、ランで走るとなると疲れ切った脚に厳しい。
路地のエイドでスポーツドリンクをもらって飲み、水を頭にかけた。
上り坂になるとガクンとペースが落ちる分、平坦な所と下りではペースを上げて時間を稼ごうとした。
サブ4で走るには1kmを5分40秒平均で走らなければならないが、とてもそんなペースでは走れない。
6分を少し切るぐらいがやっとこさ。
だけど楽しかった。
しんどいけど楽しかった、前半は(^^ゞ。
5'56 6'00 6'00 5'58 5'03 5'58 6'01 4'59 6'64 5'55
6'02 5'02 5'56 5'01 6'01 5'59 6'00 6'01 6'00 5'58
かなりムラのあるペースだな。
それだけアップダウンがあったってことかな。
どう考えてもサブ4なんて無理やん!
走ることに体が慣れてくれば、徐々にペースを上げられるんじゃないか?と夢見ながら走っていました。
折り返し地点の堂崎天主堂方面に向かうために右折するその少し手前で、千葉県の友人の千葉さん(仮名)と擦れ違った。
約3kmの差か?
ボクの方が僅かながら速いように見えたので、フィニッシュまでに追いつけるかもしれないな。
前を走る目標ができたせいか、少し足取りが軽くなったような気がしてペースが上がったと思う。
堂崎天主堂の駐車場で最初の折り返し。
腹が減ってきたので、エイドの度にまずはコーラを飲み、バナナかオレンジをもらって食べた。
美人ぞろいの若い4,5名の女性が、ボクの少し前を走っていた長身の男性選手に声援を送っていた。
会社の同僚とか同級生とかそんな関係なのだろう。
ええなぁ(^^ゞ。
オレもあんなかわいこちゃんに応援してほしいなぁ(^^ゞ。
「ボクもお願いしまーす(^^ゞ」
と言ってみた(爆)。
「頑張って~。」
「頑張ってくださーい。」
「頑張れ~。」
応援してくれました(^^ゞ。
「ありがとう~!」
よっしゃ~!元気が出た!(ちょっとの間だけ(^^ゞ)。
1周回目を走り終えて外濠公園まで帰ってきた。
1周走り終えたことを示すバンドを手首に付けてくれると聞いていたので、てっきりゴムバンドを着けてくれるのかと思っていたら、スタッフの女性が
「手を出してください。」
と言って白い30cmの定規みたいな物を勢いよく振り下ろすので、びっくりして手を引っ込めそうになった(^^ゞ。
あっと思った瞬間、それは生き物のように手首にクルクルっと巻き付いた。
おおっ、すげえ!
こんなの初めてだよ。
記念にもって帰ろうと思っていたが、フィニッシュ後に回収されてしまった(^^ゞ。
使い捨てじゃなくて繰り返し使えるモノなんでしょうね。
いいことだ。
一瞬叩かれるのかと思ったよ(^^ゞ。
折り返して間もなく、1kmも走らないうちに千葉さんに追い付いた。
おっ、思ったより早く追い付いたな。
後から思えば、その時はそんなつもりはなかったようでも、早く追い付いて驚かせてやろうという心理が働いてオーバーペースだったのかもしれない。
2、3言葉を交わしてすぐに追いぬいた。
そのペースが最後まで続くと信じていた。
集落の中の路地を抜けた辺りだったかで、突然、本当に突然脚が出なくなってしまった。
脚が上がらなくなり、擦り足のような走り方になってしまった。
7分台どころか8分台も珍しくなくなってしまった。
後半の約20kmはなかなか厳しい走りでした。
もう歩こう、もう歩こうと何度思ったか。
こんな歩くのと変わらないようなノロノロ走りしかできないんだから、早歩きする方が速いんじゃないか?と思って一度だけ歩いてみた。
まだ走る方が速かった(^^ゞ。
美人ぞろいの若い4,5名の女性の前で、再び応援を強制して背中を押してもらった(>_<)。
しかし、彼女達の声援をもってしても、もうペースを上げることはできなかった。
折り返しまでの長かったこと。
やがて千葉さんに抜き返された。
そんなボクにも、幼い子供達が恥ずかしそうに小さな手を伸ばしてハイタッチを求めてくれる。
そうかそうか、こんな無精ひげのムサイオヤジとハイタッチしてくれるのか。
よしよし、そんなことお安い御用だよ、いくらでもしてあげるよ。
一人とハイタッチすると、それを見ていた他の子供達が次々と並んで手を伸ばしてくる。
はにかんで、母親の後ろから覗いていた幼い女の子が、歩道から手を伸ばしてくれた。
ノロノロ走りだからハイタッチし易かったのでしょう。
「ありがとうね。」
と言いながら走り過ぎた。
きっとつらそうな険しい表情で走っていたと思うけど、応援の皆さんの前だけでは笑顔になれた。
やっと折り返しに着いた。
残り約10kmほどか、よし、帰るぞ。
もうサブ4なんて無理。
12時間切りも無理。
最後の10kmは、応援してくれる皆さんやエイドの方々にしっかりお礼を言いながら、ウィニングランのつもりで走ろうと思った。
遅いけど、これがオレにとってのウィニングランだ。
手を挙げ、会釈をし、「ありがとう。」と言い、できる限りの感謝の気持ちを込めて走った。
幸い、心配していた左膝は全く痛くなることなく、脚は重いがどこも痛くはなかった。
どう見ても70歳は越えていると思われる男性選手と擦れ違った。
苦しそうな呼吸音を発しながらも、孫ぐらいの年齢差がありそうな若い選手達が大勢歩いているのを次々と抜いていく力強い走りだった。
おおおお!
すごい!
あの歳にしてあの気力体力!
素晴らしい!
オレも負けていられない!
集落の中の路地を抜けたらゴールは近い!
下って右折して左折して最後のエイドを過ぎたら五島港公園はもうすぐそこ。
クタクタだった脚に少し力が戻ってきた。
右折して最後の花道に入る。
前を走る選手を追い抜いてしまいそうだったので、花道に入ったところで足踏みして自分の番が来るのを待った。
もしも、12時間を切れるかどうかきわどいところなら、顰蹙覚悟でゴールまでダッシュしていただろうけど、こんな記録で野暮なことはするまいと思っていた。
前の選手の紹介が終わってゴールテープが再び張り直されるのを待って感動のフィニッシュ。
きつかったなぁ(>_<)。
きつかったけど楽しかったなぁ。
よく頑張ったよ、オレ!
想像以上の厳しいレースだったけど、なんとか歩くこと無く走り続けられたのは、やっぱりエイドの皆さんや応援の皆さんのお陰です。
ありがとうございました。
完走メダルとタオルを掛けてもらって、記念ポロシャツを受け取った。
タオルで顔を覆ってまた泣いちゃいました。
これだけのことをやり遂げて、泣くな!っちゅうのが無理な話だよ。
宮古島TAのことでさえ思い出したら未だに涙が出てくるというのに、それにバラモンキングまで加わって、これから一体どうなってしまうんだろうと心配である。
落ち付いてからスタッフの方に写真を撮ってもらいました。
いい顔しています(^^ゞ。
千葉さんは次は佐渡島、ボクは北海道、お互いに頑張ろう!
この後、二人でレースのことをいろいろ話しながら仮設シャワーでさっぱりしてから着替えた。
温水シャワーまで用意してくれるなんて、完璧だね。
なかなか完璧な運営ってのは難しいというか、無理だと思うんだけど、バラモンキングの運営は完璧だったな。
非の打ち所がないとはこういうことを言うんだな。
トビウオのダシが美味しいあご汁をいただいて、クッキーを食べた。
疲れた体に染み渡るような素朴な旨さで、お代わりしました。
バナナはレース中にたくさんいただいたので、もう食べたくなかった(>_<)。
もうそろそろだろうと思ってフィニッシュゲートの前で待っていたら、一際大きな声が響き渡って、るみおかんさんフィニッシュ!
「私ってすごい!」
すごいすごい!
るみおかんさんすごい!
そんでもってオレもすごい!(^^ゞ
ゴール会場でいつまでも余韻に浸っていたかったけど、クルマを取りにいかないといけなかったので、21時の富江行きの臨時バスに乗りました。
運転手さんに事情を話すと、クルマのすぐ近くまで行ってくれました。
親切だね。
こういうことを考えると、福江に宿泊するのがいいよね。
最後のカウントダウンまで時間を気にせず参加できるもんね。
外堀公園で剱号を受け取りました。
大切なバイクをしっかり保管してくださっていました。
宿に帰ったら、遅い時間なのに食事が用意してありました。
公式記録ではランは4:26:48で161位。
総合順位は152位。
バイク終了時は167位だったので、T2とランで15番上がったってことですね。
あんな歩くのと大差ないようなノロノロ走りでも、僅かだけど順位が上がったってことは、しんどかったのはボクだけじゃなくて、みんな同じようにしんどかったんだなぁってことですね、当たり前だけど。
みんなよく頑張ったよ。
いい大会だったなぁ。
早く来年来ないかなぁ(^^ゞ。
やっぱり勝負はランで決まったな。
もっともっと速くて強い走りができるように頑張ろう!って思ったね。
下のバナーをポチっとしていただけたらたいへん嬉しくありがたいです。
よろしくお願いしますね~(^^ゞ。
にほんブログ村
by piyopiyodesu | 2014-06-24 12:22 | バラモンキング | Comments(10)
やっぱり頑張った人のゴールはキラッキラしてる!!
ってちょっと待ってwwwあたしの写真がでかいからwww
もー、面白いなあ、ぴよぴよさん(笑)
レース前もレース中も、いっぱい力もらいましたよ!
文化会館入って初めて会話したのもぴよぴよさんだったな。知ってる人いないし不安だなって思ってたから、顔見て一気にほっとした。
しゃべりまくってたからそんな風には思えなかったかもしれませんけどww
楽しかったですねえ。
ほんとにいい大会でしたねえ。
幸せだったなあ、あそこにいられて。
また会いましょうね(^^)お疲れ様でした!
感動を有難う!!!
歩きたくても歩かなかったのは、歩いているところをるみおかんさんに見られたら恥ずかしいって思ったからです。
気の効いた言葉は見つからないけど、本当にいい大会でしたね~。末長く続いて欲しいですね。
次の大会も頑張ってくださいね!
是非とも出てみたいです‼︎
うーん、でもいつかな〜⁉︎
フルマラソン経験しかないですが、元気いっぱいでスタートしてもあんなにキツイのに、トライアスロンのロングは私の想像力を超える世界です。
ほんと、皆さん凄いです‼︎
そして本当に楽しそう〜❗️
パワーと感動のお裾分けができて嬉しいです。
TAの大会に行くとそんな人ばっかりなんですよ(^^ゞ。
ボクなんてごく普通です。
ぜひTAの世界に足を踏み入れてみてくださいね!
もう少し待っててください。笑