安全にロッククライミングするために
鈴鹿山脈の人気の山、御在所岳の一の壁と呼ばれる岩壁です。
Mさんにはこれまでにも何度かガイドをお願いしています。
最近では、4月29~30日の連休に、北アルプスの白馬岳の主稜線を一緒に登っています。
その時のことは、『白馬岳主稜線』というタイトルでブログに書いていますので、まだ読んでない方はぜひ読んでみてくださいね。
昨日のレッスンでは、ボクとNさんの希望で、上手に登ることよりも、クライミング中に予期せぬトラブルが生じた時の、解決法を教えていただきました。
登り方は、経験を重ねるうちに必ず上達してきます。
上達の早い遅いには個人差はあるけれど、やってりゃ誰だって上手くなっていくはずです。
しかし、トラブルに対する対処法はきちんと学ばないと身に付かないと思うんです。
本で読んで知識としては知っていても、一度も実践したことがない知識は無いよりはマシでしょうが、恐らくいざと言う時には役には立たないでしょう。
下手すればパートナーだけでなく自分も死んでしまうか、大怪我をするかもしれないような状況で、一か八かでいい加減なことは試せませんよね。
自信を持って使えるテクニックでなければ怖いですよね。
つい先日も、一の壁のすぐ隣の前尾根を3人グループで登っていたうちの一人が落ちて、何箇所か骨折してヘリで運ばれたそうです。
今日、現場検証をしたはずです。
万一ビレイヤーに重大な過失があれば、民事責任だけでなく刑事責任を問われることにもなりかねません。
<これが前尾根>
<大勢のクライマーが登っていました>
トラブルに遭遇しても自分達で安全に問題を解決し、登れなくてもいいから無事に下山する技術というのは、クライミングが上手いことより遥かに大切なことだと思っています。
同じ考え方のNさんをパートナーに持つことに感謝ですね。
<藤内小屋では、年中飲み物が冷やしてある>
<ゴロ石だらけの北沢を歩くNさんとMさん>
<御在所岳の藤内壁が見えてきた>
<クライミング専用シューズ>
クライミングは普通、2人一組で登ることが多いのです。
3人でも4人でも登れますが、誰かがクライミング中は基本的にクライマーとビレイヤーの1対1で登ります。
残りは見ているだけになります。
(ビレイヤーにそれなりの技術と経験があれば、一人のビレイヤーで同時に2人のクライマーをビレイすることもあります)
最初に登るリードあるいはトップと呼ばれる人は、後から登るセカンドと呼ばれるパートナーにビレイしてもらいながら、所々にランニングビレイと呼ばれる命綱を掛けるための支点を設置しながら登ります。
リードが足場の良い(とは限らないですが)テラスまで登ったら、セカンドはリードにビレイしてもらいながら、リードが設置したランニングビレイを回収しつつ、同じ場所まで登ります。
これを繰り返しながら、上へ上へと登って行くのです。
リードとセカンドが入れ替わることもあります。
昨日はまず、セカンドが登っている最中に、セカンドがロープにぶら下がってしまって上にも下にも移動できなくなってしまった状態から、セカンドを安全な場所まで下ろす方法を教わりました。
セカンドが落石を受けて意識を失ったとか、オーバーハングした岩壁を登っている時に手足が岩壁から離れて完全に宙吊りになったとか、難しいルートのため途中でギブアップとか、寝不足でクライミング中に寝てしまった場合などが考えられますね(^^ゞ。
次に、自分がロープに宙吊りになってしまった場合に、尺取虫のように少しづつロープを登って、安全な場所まで移動する自己脱出の方法をおそわりました。
<自己脱出の練習中のNさん>
<自己脱出時のシステム>
さらに、ロープの結び方や、支点の取り方、トップロープで登って最後に何も残置しないで回収して下山する方法も教わりました。
先に登ったボクのビレイで登ってくるNさん。
ボクの足が写っています。
<前尾根からは、掛け声を掛けあう声がひっきりなしに聞こえていました>
<岩にぶら下がって何やら練習中のようです>
せっかく覚えても、しょっちゅう使うテクニックではないので、すぐに忘れちゃうんですよねー(^^ゞ。
忘れないうちに繰り返し使って身に付けちゃえばいいんですけどね。
そう思って昨夜はテーブルの脚を支点代わりにして、ロープの結び方なんかを復習してみました(^^ゞ。
次の日曜日にはNさんと2人で御在所岳に登って、習ったことを復習したり、2人の息を合わせる練習をする予定です。
ロードバイクに乗る時間が少なくなってしまうので、木曜日に長距離を走ろうと思っています。
by piyopiyodesu | 2012-09-01 21:19 | ロッククライミング | Comments(0)