白馬岳主稜線 -後編-
30日は2時過ぎに起床。
シュラフや荷物を片づけて、Mさんが用意してくれた朝食を食べた。
具たくさんな雑煮でした。
登攀に必要ない物はテントに残して、まだ暗い4時過ぎにヘッドライトを点けて出発。
登山歴50年のMさんは、流石に無駄な動きが無いというか、手慣れているというか、歩くだけじゃなく準備が早い。
ボクとNさんはいつものんびりしているので、Mさんを待たせてしまうことたびたび。
危険な場所はさっさと通過してしまうためにも、渋滞の後ろにつかないためにも、速さと早さは大切なのだ。
テントはあの赤い印の辺り。
間もなく明るくなってきたので、ヘッドライトをしまった。
気温が高く、雪がくさっているので足が沈んで歩きにくい。
暑くなったので全員ジャケットを脱いだ。
所々にこんなクレバスがある。
落ちても這い上がればいいのだが、余計な体力を消費するし、最悪だと崩れた雪に埋まってしまうかもしれないので注意。
ゆるやかで単調な斜面をかなり歩いて、ようやく主稜線の基部である8峰に着いた。
ここからは主に稜線上を歩くことになる。
変化があるし、左右ともに切り立ったナイフリッジ上を歩く場所も多いので、なかなか楽しい。
雪庇が大きく張り出している。
振り返ってみたら、ほとんど雪庇の上を歩いてきたのがわかる。
ナイフリッジ上を歩くNさん。
神奈川から来たという10人パーティで渋滞中。
大集団はどうしても遅くなる。
この後、足場のいい場所で先を譲ってもらった。
ミシンの縫い目のようにトレースがついているのがわかりますか?
振り返って見ると、テントがもう見えないぐらいに小さくなっている。
つららを見つけてバリバリ食べた。
危険な場所では、「ここでは写真撮ったらあかんよー。」とガイドさんから指示が出る。
今回もボクは、いつもと同じように大きく重い一眼レフを袈裟掛けに掛けて登った。
普通、Mさんは、大きなカメラはしまうように指示するそうだが、ボクは言っても聞かないだろうと思われたか?こいつは大丈夫と思われたか?落ちても自業自得と思われたか?カメラをしまえとは言われなかった。
Nさんと二人だけだと、危険な場所でも所構わず写真を撮りまくっていたかもしれない。
Mさんも写真好きなので、撮影に適した比較的安全な場所では、ここで写真を撮るといいよと、小休止をしてくれた。
テントはあの辺りかな。
まだまだ続く急斜面。
これはロープがいるわなぁ。
落ちなきゃラッキー、落ちたらお終いというのはスポーツじゃないもんね。
落ちないのが一番だけど、落ちても助かる方法で登らないとね。
我々二人に足りなかったのは、まさにこの技術。
これで2人の技術レベルは一気に上がったな。
ロープを長くして、急斜面をリードしていくMさんの左上に雷鳥発見。
山頂直下で登って来たルートを振り返って見た。
山頂まで登ってしまうと、大きな雪庇が邪魔になって却って下が見えないのだ。
10時前に、2923mの山頂に到着。
テント設営地の標高は1400mだったので、標高差1500mを登ったことになる。
半日で登る標高差としては結構な高さだ。
あんな雪庇の上を歩いてきたんだな。
あれだけ厚い雪庇なら、人が歩いたぐらいではそう簡単には崩れないだろうけど、いつ崩れてもおかしくはない。
雪ヒバリがさかんに虫を食べていた。
隣の杓子岳と、下山ルートの大雪渓。
尖った山が剱岳。
大きな山小屋は白馬山荘。
雷鳥が、酔っ払いがゲロを吐くような声で鳴いていた。
白馬山荘。
白馬村営頂上宿舎。
Nさんが人数分持ってきてくれたヒップソリで大雪渓を滑って降りた。
斜面がちょっと急だと怖いぐらいにスピードが出て、おもしろい!
デブリ(雪崩の痕)だらけ。
昼前には無事にテントまで戻ってきました。
温泉に浸かって、大盛りご飯を食べて帰りました。
Nさん、行き帰りの運転お疲れさまでした。
ありがとうございました。
Mさんを自宅にお送りした時に、ヨーロッパのアルプスの数々の山の写真を見せていただいた。
マミヤやペンタックスの645で撮って大きく引き伸ばした写真は目を見張る美しさであった!
Mさん、ありがとうございました。
by piyopiyodesu | 2012-05-02 21:57 | 登山 | Comments(0)